自閉症・発達障害のお子様の
お口に関する当院の考え
当院では自閉症・発達障害のお子さんの治療をさせていただいております。その際に、当院では以下のことが重要であると考えております。
POINT 1
幼児期からの受診
自閉症・発達障害のお子様の場合、歯科医院への恐怖心が強く、慣れてもらうのに時間がかかる場合があります。
もし、治療が必要になった時に、幼児期の場合は保護者の方のご協力の下で治療が可能かもしれませんが、小学生であった場合はすでに体も大きく力も強いため、当院の設備だけでは対応できない事態も考えられます。
一番は、やはり虫歯にならないことかと思います。そのためにも小学校に入学する前の幼児期から来ていただき、慣れていただくことが大事かと思います。
POINT 2
お子様との距離感に
注意しております
お子様との距離の取り方、接し方には注意しております。自閉症・発達障害のお子様の場合、お口の中にモノが入ることが嫌がることが多く、体に触れられることもストレスとなってしまうため、保護者の方のご意見を伺いつつ、距離を縮めることに細心の注意を払っております。
まず手の先に触れることから始めて、数か月後に口の中に器具を入れても大丈夫になったケースもあります。
POINT 3
二次障がいを防ぐことに
注意しています
来院していただくお子様には、事前に保護者の方が説明し、お子様も決意をしている場合もあります。しかし、実際に来院すると恐怖心が勝り、診療できない、ということは珍しくありません。
来てくれただけでも大成功です。しかし、できなかったことで落ち込み、劣等感となって二次障がいとなってしまう可能性もあります。
当院では、二次障がいに至らないように、最大限の配慮をさせていただきます。
POINT 4
自閉症スペクトラム・発達
障害についての知識・経験の
習得に勤めております
当院では、日々、自閉症スペクトラムや発達障害について、学んでおります。
また、施設の方々にもご協力をいただき、見学などもさせていただいております。
POINT 5
それでも対応できなかった
ケースもあります
これまでお話ししてきたように、お子様や保護者の方の力となれるよう、できる限りのことをさせていただいておりますが、拒否されてしまったお子様もいらっしゃいます。
対応の間違い、歯科医や職員との相性など、様々なことが挙げられます。誠に申し訳ありませんが、ご期待に沿えない場合もあることを、ご理解いただけましたら幸いに思います。
自閉症・発達障害の
お子様の診療の流れ
当院では、自閉症や発達障害のお子様にもご利用いただいております。もしご利用を希望される場合、以下の流れとなります。
1来院前に、保護者の方とお電話でお話しさせていただきます
診療ご希望のお電話をいただいた後、院長自らお電話でさせていただき、保護者の方とお話しさせていただきます。その際に、受け入れ体制について伺っております。
具体的には、他の人と一緒でも大丈夫か、音は無いほうが良いか、絵カード等の設備は必要か、体に触れても大丈夫か、ご家庭での日々の様子や特に注意すべき点などを教えていただいております。
その上で、お子様の状況に合わせて、準備をいたします。他の人と一緒にならないように診療時間を設定したり、情報過剰を避けるための措置を行ったり、専任衛生士の選抜などを行います。
2実際に来院していただきます
事前のお話を伺った後、お子様にあった状況を用意してお待ちします。
当院には絵カードや視覚を遮るロールカーテンなどがあり、必要に応じて使用しております。
3慣れてもらうことを優先しております
お子様は、実際に歯科医院に入ると、不安を強く感じることの方が多いと思われます。その場合は無理に診療台に座らせるのではなく、慣れてもらうことを優先しております。最初は診療室に入れなかったお子さんが、保護者の方のご理解のもと、何度も通っていただくことで慣れていき、半年後にはお口の清掃ができるまでになった、という例も多くあります。
一方で、残念ながら慣れてもらうことができなかったお子さんもおられます。対応できない場合もあることを、ご理解いただきたいと思います。
4必要によっては専門科をご紹介させていただきます
痛みがある場合や、痛みが出てもおかしくはない状況では、保護者の方のご理解のもと、治療をさせていただく場合もあります。ただ、治療中に暴れてしまうお子さんもいらっしゃいます。その際は、市内の専門科をご紹介し、専門医による治療を受けることをお勧めしております。
5訪問診療も承っております
お子さんにとって、歯科医院に入ること自体がストレスとなる場合が多く、無理に入ろうとすることで新たなトラウマとなってしまうことも想定されます。その際は、加納をはじめ職員がご自宅に伺い、診療をさせていただきます。慣れた環境であるご自宅の方が、ストレスも少なく応じていただけると思います。